福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

動物園コラム スロープカーあれこれ!?

投稿日 : 2008年12月04日

みなさんご存じのとおり、福岡市動物園はとても坂道が多いところです。動物園正門から一番高い遊園地まで、約40mの高低差があります。

以前、運動のために来園しているという近所の方が新聞で紹介されていました。このような方は特別で、多くのお客様は坂道がきついと感じていらっしゃるはずです。
そこで、現在進めているリニューアルの坂道対策第一弾として整備したのが、今年(2008年)4月に運行を開始した「スロープカー」。みなさん、もうお乗りいただけましたでしょうか? <写真右上 スロープカー全景>

動物園と植物園の間の傾斜地に、2台のモノレール式ガラス張り車両(各20名乗り)が稼働中です。

私もそうでしたが、初めて乗る方がほとんどで、珍しさもあり大変ご好評をいただいています。(特に小さなお子様には大好評です!)もちろん、バリアフリーのための施設なので、乗車料金は「無料!」です。
実はこのスロープカーの斜面にはエスカレーターをつくる計画でした。しかし、ショッピングセンターなどでは当たり前のように使っているこのエスカレーター、すごく高価なんです。ましてや、動物園のような屋外タイプとなると、数億円という値段になってしまう。

そこで、いろいろな昇降機を検討しました。
エレベーターは比較的安価なのですが、せっかく緑に囲まれた公園に来ているのに、暗いエレベーターボックスに入るはいかがなものか・・・。だったらと、ガラス張りのエレベーターにしたら、整備費用はもちろんのこと、その後のガラスふき掃除のメンテナンス費が大変。
<写真左 内部操作盤 操作はエレベーターと同じ>

その他にも、斜行エレベーター、ケーブルカーの案もありましたが、最終的に選んだのがこのスロープカー。
スロープカーならベビーカーも車イスも家族みんなで一緒に乗れるし、全面ガラス張りの車窓で開放感もある、整備費用も比較した中で一番安価、・・・、採用理由はいろいろありますが、最大の魅力は、なんと言っても「楽しそう」ということ!

動く車両に向かって小さな子供たちが手をふる姿を見る度、スロープカーにしてよかったと感じています。
また、このスロープカー、電源回生用インバーターを組み込んでおり、下りの時にはモーターが発電機になるという省エネ機能を備えています。下りの発電によって、上りに使う電力の40%以上をまかなっており、この点でも、私たちがめざしている「動物・ヒト・そして環境にやさしい動物園」にかなった設備です。

今度ご来園の際には、スロープカーを使って、植物園まで足を伸ばしてみてください。<写真右>

芝生広場でのお弁当、花と緑の中での散策、木の実クラフト(土日祝開催中)など、動物園とはひと味違う時間が過ごせます。
動物園にお越しの際には、ぜひ植物園も含めて2倍お楽しみいただきたいと思います。
(植物園への行き来は自由です。)


福岡市動物園 施設係長 上田
 
福岡市動物園公式ブログ

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