福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

西日本新聞「いきいきいきもの」3月5日 ネギで風邪知らず

投稿日 : 2016年3月05日

ネギをくわえるチンパンジー
福岡市動物園のチンパンジーたちはここ7年間、風邪をひいていません。
寒い時期は特に動物たちの体調管理に気を使いますが、チンパンジーが元気なのは、ある野菜のおかげだと考えています。一体何か分かりますか?

答えはネギです。
ネギには血流を良くして、体温を上げる効果があると言われます。
レタスやピーマン、ダイコンなども与えますが、それらを食べ終えてからネギを食べ始めるので、決して好物ではないようです。
にもかかわらず、ほぼ毎回、きちんと食べてしまいます。ネギが体を温めることをチンパンジーたちは本能的に知っているのではないか、と私は思っています。

その証拠に、春が近づいて暖かくなると、ネギを残すようになります。同じようなことは夏場にもあって、ネギとは逆に体を冷ます効果があるトマトやセロリは秋めいてくると食べなくなります。

人間は「健康にいい」というせりふに弱く、いろいろな情報に振り回されがちですが、その点、野生の勘が働くチンパンジーは人間より一枚上手なのかもしれませんね。
 
(飼育第一係、片原敏成)
 
福岡市動物園公式ブログ

ページの先頭へ戻る