じゃれあったり、追いかけっこしたり。コツメカワウソの仲良し家族６匹は、動物園の人気者です。お父さんの「ふく太」、お母さんの「リラ」、そして１歳の子どもたち４匹は、福岡県内の地名にちなみ、「げんた」（玄界島）「のこすけ」（能古島）「いと」（糸島）「あい」（相島）といいます。
　１年前に生まれたときは、ふわふわの毛糸玉みたいだった４きょうだいも、今では大人と見分けがつかないほど。でも、ここまで来るのは大変でした。リラは初めてのお産。たくさんの子を産んだこともあり、子育てがうまくいかず、１匹だけは人工保育になりました。飼育員の私が２～３時間おきに、ねこ用のミルクをうすめてあげました。夜中もミルクをあげるので寝不足になりました。
　苦労が実って、いまでは家族仲良し。お母さんがお父さんより強い「かかあ天下」で、えさを食べるのはリラが最初。その後、子どもたちが食べて、ふく太は最後という具合です。ふく太は、リラも子どもたちも大好きだから、不満はないようです。みなさんもぜひ、この家族に会いにきてくださいね。
 
（飼育第１係、藤野　正和）