福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

市政だより2月15日号中央区版 「ニホンザル」

投稿日 : 2010年2月16日

 このところ寒い日が続きますが,この季節にしか見られないサルの面白い行動があります。さて何でしょう?
 答えは「サル団子」。寒い時,サルたちは体を寄せ合って熱が失われるのを防ぎ,寒さを忍んでいます。かわいい姿に、サル山の前ではカメラを構え,シャッターチャンスをうかがう人をよく見掛けます。
 ニホンザルは人間と同じ霊長目のオナガザル科マカク属で,日本固有種です。北海道,佐渡島,南西諸島を除いて分布し,霊長目の中では人間を除けば最も北に生息しています。中でも青森県下北半島のサルは「北限のサル」と呼ばれ,最北に生息するサルとして珍しい生き物です。
 当園のニホンザルは香川県小豆島生まれ。同じマカク属のシシオザルもいるのでぜひ見に来てください。
 ニホンザルの歴史は古く,縄文人がいた1万年前よりもずっと昔,約50万年前ごろの化石が山口県の秋吉台で確認されています。しかし30年ほど前から外来種のタイワンザルやアカゲザルとの交配種が発見されていて,生態系が崩れることも心配されています。

                動物相談員  鶴原 健
福岡市動物園公式ブログ

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