福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

読売新聞夕刊2006年04月01日 「ゴリラ」

投稿日 : 2007年4月24日

福岡市動物園には、2頭のゴリラ(オス)がいます。オスでは国内最高齢のウイリー (推定40歳)とスペインバルセロナ動物園生まれのビンドン (24歳)です。この2頭、ちょっと変わった癖があるんです。
 まずは、ウイリー。どうやって覚えたかわかりませんが、ステンレス製のカップで水を飲みます。ある日、お客さんが落としたゼリーのカップで水を飲んでいたので、試しに水飲み場にカップをヒモで吊したら使うようになりました。カップを傾けて口をすぼめる顔は愛嬌たっぷりですね。
ビンドンは布袋がお気に入りで、座るときに下に敷いたり、日よけにしたりと常に持ち歩いています。
ゴリラは中央アフリカの西部低地雨林で暮らしていて、草や果実、木の葉、低木などを食べます。動物園ではキャベツ、セロリなどの野菜、リンゴ、ミカン、バナナなどです。
 ゴリラはマウンテンゴリラ、ヒガシローランドゴリラ、ニシローランドゴリラの3種類がありますが、いずれも野生では絶滅の危機にあります。日本の動物園にいるゴリラはすべてニシローランドゴリラで、九州・沖縄では福岡市動物園でしか見られません。
大人のオスは背中から大腿部にかけて灰白色になり「シルバーバック」と呼ばれます。手は足より長く、指の関節を地面に付ける「ナックルウオーク」という歩き方をします。また、興奮したり緊張したりしたとき、立ち上がって大声を発し、両腕で胸をたたいて音を出す「ドラミング」という行動をとることがあります。

(飼育展示係 廣瀬 豊)
福岡市動物園公式ブログ

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