福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

読売新聞夕刊2006年04月15日 「アラビアオリックス」

投稿日 : 2007年4月24日

みなさんは、頭に一本の角を持つ伝説の生き物「ユニコーン」を知っていますか?このモデルになったと言われているのが、アラビアオリックスです。全国で見られるのは、福岡市動物園など3ヵ所だけです。草を食べている姿を横から見ると、頭の後ろの方で、まっすぐに伸びた美しい2本の角は、確かに1本に見えます。
シカに似ていますが、牛の仲間なので角は生え替わりません。長さ40センチ~70センチ。動物園では、この角で砂山を崩したり、丸太をこすったりしていますよ。
アラビアオリックスはアラビア半島などの、夏は木陰でも50度に達し、冬は6度にしかならないような過酷な条件の下で暮らしています。このため、体の色は太陽光線を反射するように白色で、冬になると熱を吸収しやすいように足の毛が薄茶から黒くなります。
 暑い時期は、水分を保つように体温を上昇させて汗をかかないようにします。
実は野生のアラビアオリックスは、ハンティングなどによって一度絶滅したのです。
そこで、動物園で繁殖させて野性に返す取り組みが行われ、成功しました。
 福岡市動物園でも繁殖に取り組みライラ(メス)が誕生しました。現在、このライラと母のイラ、オスのジョリーの3 頭がいます。2005年6月7日にやってきたジョリー君。新しい家にも慣れ、元気いっぱいですが・・・まひとつメスたちには気に入られていないようで、寄っていっても、逃げられてしまいます。それでもずっと後ろについて回っています。早く仲良くなって赤ちゃんが生まれてほしいものです。

(飼育展示係 江崎 幸子)
福岡市動物園公式ブログ

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