福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

西日本新聞「いきいきいきもの」8月29日 昔は身近な田んぼにいたよ

投稿日 : 2015年8月29日

カスミサンショウウオ
  その名の通り、かすみのようなまだら模様。体長10センチ前後のカスミサンショウウオは、つぶらな瞳につるりとした体で不思議な存在感があり,日本にしかいない生き物です。福岡市動物園では1匹を飼育しています。サンショウウオはカエルやイモリとならぶ三大両生類といわれています。

 オタマジャクシと同じように、卵からかえり、手足が生えてくると肺呼吸や皮ふ呼吸ができるようになります。夜行性で、おとなになると昼間は陸のかれ葉の下などにかくれて休みますが、サンショウウオの仲間には、一生水中で生活する変わり者もいます。 

 動物園では水そうの中でくらしており、昼間はじっとしていることが多いです。でも、赤んぼうのような小さい指を広げて動く姿を見せてくれることもあり、愛きょうたっぷりです。

 昔は、九州でも里山の田んぼで見かける身近な生き物でした。でも今は絶滅が心配されていて、野生では目にする機会はへりました。ぜひ動物園に会いに来て、小さな生き物の命や環境などに思いをめぐらせてみてください。「動物科学館」という赤いトンガリ屋根の建物にくらしています。

(動物相談員、斎藤政勝)
福岡市動物園公式ブログ

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