福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

西日本新聞「いきいきいきもの」10月24日 雌はまるで女王様 

投稿日 : 2015年10月24日

 ニューギニアやオーストラリアなどに生息するオオハナインコは、自然界では珍しい一妻多夫制の鳥です。雌が巣穴にこもっていると、雄が代わる代わる餌を運んできて、巣穴の周辺警備をしてくれます。雌はまるで女王様のようです。

 福岡市動物園には2羽の夫婦がいます。雄はライバルがいないので、堂々としていそうなものですが、習性通り、雌のためにかいがいしく尽くすのです。

 働き通しのこの雄には特技があります。カラスの鳴きまねです。インコの仲間はもともと物まねが得意ですが、園内にはさまざまな動物の声が響いているのに、どうしてカラスを選んだのでしょう…。雌のためにせっせと働く姿を知っている私は、雄が「カーカー」とカラスをまねて鳴く声を聞くたびに妙に切なくなります。

 オオハナインコの特徴はほかにもあります。実は一目で性別が分かるのです。色鮮やかな体の色が目を引きますが、緑色が雄、赤と青紫の2色が交じっているのが雌です。

 動物園の夫婦にはまだ名前がありません。ぜひ会いに来て、素敵な名前をプレゼントしてほしいですね。

(飼育第二係、森陽子)
福岡市動物園公式ブログ

ページの先頭へ戻る