福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

市政だより6月15日号中央区版 「巣立ち」

投稿日 : 2011年8月13日

 動物園の病院では病気やけがで弱った野生の鳥やほ乳類を保護し、治療して自然界に返す仕事をしています。今の時期は巣立って間もない鳥のヒナの保護が増えてきます。
 4月から7月は鳥の巣立ちのシーズンです。巣立って間もないヒナはうまくは飛ぶことができません。飛べないヒナは一見けがや病気で弱っているようにも見えますが、これらのヒナは病気ではありません。保護する前に、その周辺に巣がないか探して、巣があれば戻してください。
 また、ヒナを見つけた場所に猫がいたり道路のすぐ近くだったりなど、ひなが危険な場合は、巣があるところからそれほど遠くない、より安全な場所に移動させてください。巣が見あたらないときは、カップラーメンの空き容器などを仮の巣を作るのもよいでしょう。 
 巣立ち直後のヒナには、親鳥がエサを運んできますので、不用意に保護すると親鳥から引き離してしまい、いわゆる「誘拐」になります。野生動物はあくまで野生の中で生活できることが幸せなのです。巣立ちのひなを見つけたら、すぐ保護するのではなくそっと見守ってやってください。

                                                                                          動物衛生係 大神 郁朗
福岡市動物園公式ブログ

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