福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

電気と九州2007年2月号 動物園の裏方

投稿日 : 2007年4月24日

動物園の仕事といえば?
 もちろん、ほとんどの人が動物の世話をする【動物飼育員】を思い浮かべるでしょう。そんな中、普段はあまり注目される事のない、動物園を陰から支えている【管理係】の仕事を紹介させて頂きます。これを読んだ後に動物園に遊びに来られたら、今までとは違う見方が出来る様になるかも知れません。
 管理係は係長を含め9名で、1年間365日交代で休み無く働いています。たとえば、園内の動物達が盆や正月で帰省して休暇を取ってくれたりすると休めるんですが...実際は年中無休で、いつどんなトラブルがあっても対応できる様にしています。
主な仕事内容としては『建築・土木・設備(電気・機械)・鉄工・木工・塗装・造園・その他』があり、これらの仕事内容を簡単に説明させて頂きます。

『建築・土木・設備』
各獣舎や建物及び園路などの改修・維持管理を行います。獣舎などの設計では、動物の事を考える飼育員や、動物との出会いを楽しみに来られる来園者と、工事を行う工務店などとの間に入り、『動物がより過ごしやすい環境・来園者が安全に動物を観察し楽しめる環境・飼育員の仕事がしやすい環境』などを考え、より良い動物園となる様にしています。
『鉄工』
鉄材の加工や溶接をして、園内の檻や展示物の製作・修繕を行います。動物の遊具を飼育員から製作依頼を受け、動物の力(例 チンパンジーの握力300kg)でも壊されないものを、既製品ではほとんど対応できないため、材料から加工して製作もしています。
『木工』
木材の加工を行い、巣箱やベンチなどの製作・修繕を行います。お正月恒例の福引きで1等景品になっている【鹿の角】の製作をしたりもしています。
『塗装』
檻や柵など古くなった塗装の補修を行います。開園して53年目を迎えた動物園では新しい物もありますが古い物も多く、定期的に塗装を塗り替えたり、木材には防腐剤などを塗ったりして、出来るだけ長く綺麗に使える様に補修を行っています。
『造園』
園内にある花壇の植え替えや園路の補修を行います。子供に大人気の豆汽車(2周 子供20円・大人100円)のお花畑では季節ごとに植え替えをし、子供だけではなく大人の人達の目も楽しませています。
『その他』
草刈り・雪かき・倒木処理・蜂の巣駆除・夜の動物園照明設置・漏水修繕・水道メーター検針など様々な仕事を行っています。その中でも倒木処理は、昨年9月の台風の影響で今までで最多の倒木があり、園路や広場をふさいでしまっていたため、チェーンソー・クレーンなどを駆使して除去作業を行い、3日間かけ4tトラック30台以上を処理しました。
管理係では、市民の方が癒しや体験・学習などができ、ストレスを感じること無く見て頂けるのが1番だと、そして管理係が目立つ事なく動物園を陰から支える仕事でありたいと思っています。
 現在、メディアなどで動物園が注目を集めている中、平成18年度より福岡市動物園のリニューアルも始まり、市民に愛される、より良い動物園として生まれ変わっていきます。もちろん、動物園に対して、ご意見・ご要望などありましたら、園内の出口に設置してある「お客様の声」に入れて頂ければ、これからの動物園づくりに役立てさせて頂きたいと思っています。

(福岡市動物園 松尾 伸一郎)
福岡市動物園公式ブログ

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