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お知らせ

ツシマヤマネコ早わかり講座

2010年7月31日

 さて,福岡市動物園での部屋は専用の庭付きの個室じゃ。
 緑も水場もある。
赤ちゃんには予防接種や歯の検診があるんじゃ。
 わしはこれからは担当の永尾さん(写真)と河野さんに世話してもらって,余生をのんびり過ごすつもりじゃ。
 夏休みにみんなが息子(写真)に会いにきてくれたらうれしいのお。わしと違って結構動きまわっとるようじゃ。それでは読んでくれてありがとう。
 ツシマヤマネコは,長崎県対馬に生息し,1971年に国の天然記念物に指定された,絶滅が心配されている小型のヤマネコです。福岡市動物園ではツシマヤマネコの保護繁殖に取り組むとともに,皆さんにツシマヤマネコのことを知っていただくため,北園のツシマヤマネコ舎で公開してきました。
 5月に,これまでツシマヤマネコ舎の左の部屋で公開していた№3が,高齢のため引退し,息子の№20に代替わりしました。これを記念して,動物科学館でツシマヤマネコ展を6月に開催しました。
 この展示は,主に№3が,ツシマヤマネコの特徴や現状,赤ちゃんや獣舎の様子などの基礎知識を説明する構成になっておりました。この展示の一部を掲載しますので,これをヒントに,夏休みの自由研究に,ツシマヤマネコに限らず,人と野生動物の共生を考えてもらえるといいなと思います。
 わしは№3。「じいちゃん」と呼ばれておる。5月までツシマヤマネコ舎の左の部屋にいたが,年をとったので奥の部屋に引退したのじゃ。ツシマヤマネコは長崎県対馬に100頭ぐらいおるだけじゃ。このままでは絶滅してしまう。心配じゃのう。
 ツシマヤマネコの特徴は,耳の後ろの白いはん点と,太くて長いしっぽじゃ。額には縞模様もある。耳の先も丸いぞ。
アムールトラも耳の後ろに白いはん点があるんじゃ。
 日本には沖縄県西表島にイリオモテヤマネコもおるぞ。ちなみに沖縄では西は「いり」,東は「あがり」と言うそうじゃ。(写真提供環境省那覇自然環境事務所西表自然保護官事務所)
 わしらの数が減った理由の一つは,農林業が衰退してエサが減ったからじゃ。安い外材が輸入され,林業経営が困難になって,森も荒れたんじゃよ。その減ったエサを他の野生動物ととりあわねばならん。毎日大変じゃった。そのほか,生息地を分断する道路を渡って交通事故にもあうし,鶏を守るために小屋にしかけられたワナにもかかる。家でネズミよけに飼われていた猫からネコの病気をうつされることもある。わしらと人との共生は問題山積みじゃが,保護に向け,地域の協力もたくさんある。わしらの応援団もあるぞ。
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福岡市動物園公式ブログ

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