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お知らせ

職場体験に来た中学生による動物紹介です

2011年2月21日

動物園に2校の中学校から、計6名の職場体験の実習生がきてくれました。今年の冬は寒さが厳しく、当日も大変寒い中を広報体験として、まず園内の動物たちを観察したり、動物科学館の本で調べたりした後、当ホームページで紹介するための動物紹介記事を書いてもらいました。動物観察にはスケッチも交えながら、中学生の新鮮な視点で、日頃見過ごしてしまいそうなところまで、じっくり観察してもらいました。
<ベンガルヤマネコ>

ベンガルヤマネコは、森林から人里近くまで、さまざまな環境に住み、特に水辺を好み、木登りや泳ぎも得意です。獲物となる動物は、両生類のカエルや爬虫類のヘビ、ネズミ、ウサギやシカ等の幼獣、鳥類、魚などさまざまです。現在絶滅のおそれがある“ツシマヤマネコ”も近縁の仲間です。
体の特徴を観察すると、足の下半分には、胴体にある斑点よりも小さい斑点模様がたくさんあって、普通の猫よりも足がやや長いようです。顔や背中は、トラに似ている模様があって、顔は少しライオンに似ていました。寒さで丸まっているところは、普通の猫と同じでした。(MNさん)

(動物相談員からのコメント) 
 ベンガルヤマネコは分布が広いため、体の大きさ、毛の長さ、斑紋などに地域差があるネコ科の肉食動物です。夜行性で、昼間は体のエネルギー消費を節約するために丸まって寝ていますが、獲物を捕らえるときは、実に俊敏な動きをします。
<オオワシ>
オオワシは、観察したときはあまり動かなかったけど、オスの方は、ときどき翼を広げて体を震わせたり鳴いたりしました。オスの名前は「とっきー」で、1995年3月5日生まれです。性格は、恐がりで、すぐにパニックになってしまうこともよくあります。メスの名前は「ゆっきー」で、2005年3月9日生まれです。「とっきー」につられてパニックになることもあります。 一般のオオワシは、海岸や河川・湖・沼の近くに生息して、主に魚を食べます。翼を広げると2mを超え、メスの体が大きい。日本では、冬鳥として北海道の東部に飛来して、春には北方に帰って繁殖します。国の天然記念物に指定されています。(SIさん)

(動物相談員からのコメント)
 オオワシはオホーツク海沿岸などに分布し、冬期の北海道の知床半島付近ではオジロワシ(園内の隣の鳥舎で展示)とともによく見られ、体が大きいオオワシがオジロワシの獲物の魚を横取りする場面がよく観察されます。狩りをするより横取りする方が体力の消耗が少なくてすむことが理由と考えられます。人間社会でも似たような場面が見られます。若いうちは手抜きせず、自分の力で成果を得るように心がけてもらいたいと感じます。
<アラビアオリックス>

アラビアオリックスは、小規模な群れで砂漠に生息しています。食性は植物食で、草や木の葉、時には木の根を食べています。体は太陽光を反射するために白く、冬の寒いときに効率よく体温を維持するために、四肢は茶色くなっています。横から見た姿が角1本に見えるため、ユニコーンのモデルとも言われています。乱獲により野生個体は1972年に絶滅しました。1982年に動物園などで繁殖した個体を野生に戻しています。普通8ヶ月から9ヶ月の妊娠期間の後に1頭の子どもが生まれてきます。体重は9~10㎏で、角の長さはすでに1.5㎝。チーター・カラカル・サーバル・ハイエナ等が子どもを狙う強敵ですが、親たちがいつも守ってくれているので、子どもは食肉類からうまく遠ざけられています。動物園のアラビアオリックスは、歩き回ったり柵をなめたりしていました。(HHさん)

(動物相談員からのコメント)
 アラビアオリックスはアラビア半島などの砂漠地帯に生息していましたが、過度の狩猟により野生種は絶滅し、オマーンに再導入したものが数百頭いるだけです。日本では2動物園で本種を飼育展示しています。平成10年7月横浜市金沢動物園から当園に2頭のカップルが入園し、その後、両親の入れ替わりはありますが、5頭の子供が誕生しました。アラビアオリックスは絶滅の危険性が高い動物としてワシントン条約付属書Ⅰにより国際取引が全面禁止されている貴重な動物です。
<キングペンギン>

キングペンギンは、南極の周りの島にいて、全長85~95㎝のペンギンです。魚やイカ、エビ、それと小魚を食べます。赤ちゃんの頃は毛が茶色で大人になると黒になります。ひなの子育ては春から始めます。でも、卵を産むのは1月に生むのと2月に生むのがいるので、みんな同じ時期には育てません。キングペンギンは、250mぐらいの深さを20分近く潜っていることがあります。(TIさん)

(動物相談員からのコメント) 
 世界に約17種類のペンギン類がいますが、キングペンギンの場合、主に潜水が可能な深さより浅い水深20m付近と90m位で好物のハダカイワシ、イカなどを捕食していると考えられています。
<レッサーパンダ>

 レッサーパンダの手は、6本目の骨がありますが長さがそれぞれ違うので、骨が長ければエサなどを手でつかむときに固定しやすく落ちにくいが、短く不安定でエサなどを持てないレッサーパンダもいます。シッポが約45㎝もあるレッサーパンダは、寝るときにシッポを体にそって丸くなって寝ています。レッサーパンダの体は茶色が一番多いですが、福岡市動物園にいる「サチ」のように、体全体が白っぽくシッポのしましまが見えにくい、とても珍しいレッサーパンダもいます。 <写真はテッカ♂>
(気付いた事)
・ 自分の体より高くジャンプができる。
・ 竹や笹が主食で、エサをねだるとき立ち上がる。  
・ 手足、腹、シッポの先端の色が濃く黒い。
・ 寿命は15歳ぐらい
・ シッポが太く白と茶色のしましまになっている。
・ 手で押さえ込むように食べ物を持って食べる。
・ 葉っぱを食べるときは、片手で葉っぱの付いた枝を下げて食べている。
・ 顔に目から口にかけて茶色のラインがある。
・ 爪が少しある。
・ 休むときは高いところに上がる。
・ 寝るときは丸くなる。
(感想)
・ 大きなシッポが地面に付かないことがすごかった。
・ 細い丸太を走って渡れるのがすごいと思った。
・ 時々、木におしりを付けてフリフリしているのが不思議だった。
・ 木登りが得意で、高い所が好きだと思った。 (NHさん)

(動物相談員からのコメント)
 短い時間でレッサーパンダのしぐさについてよく観察できました。当園で飼育展示しているシセンレッサーパンダはミャンマー北部から中国南西部(四川省、雲南省)の山岳部に分布しています。そのほかネパールからアッサムまでのヒマラヤに分布している体色が薄く体が小さめの亜種のネパールレッサーパンダがいます。
<シロフクロウ>

シロフクロウは、北極圏では最も大きく強い鳥の一つです。その特徴として、オスは全身白色に対して、メスは白の羽に黒褐色の斑点があります。ネズミ類を主に主食とし、低空飛行などで獲物を襲います。夜行性ですが昼も活動を行います。全長約60㎝、体重約2㎏、オスよりメスの方が大きいシロフクロウですが、5月~6月に1~2日空けてヒナを産み、ヒナは1ヶ月ぐらいで不器用ながら飛び立って行きます。そのシロフクロウを福岡市動物園で見ました。おとなしくあまり鳴かず、警戒をしていましたが、僕はそんなフクロウがとてもかっこよく見えました。シロフクロウを通していろいろな思いが伝わってきました。みなさん是非見にきてください。
(気付いた事)
・ 目は薄く開けている。
・ 羽をたたみ、首だけを動かす。
・ 離れていても存在感がある。
・ おとなしく、あまり鳴かない。
・ 人の近くに来ない。
・ 自分で毛づくろいをする。
・ 常に警戒している。 (ZSさん)

(動物相談員からのコメント)
 シロフクロウは♀の羽毛全体に黒褐色の斑紋があり、♀の体が♂よりかなり大きいので♂♀の判別が容易です。また、フクロウ類は一般的に夜行性ですが、本種は昼間も狩りをします。
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