職員による雑誌等への寄稿文
西日本新聞「いきいきいきもの」11月8日 九州では ぼくだけ
投稿日 : 2014年11月09日
強そうな体つき、ウホウホと両手でむねをたたく動き、決してイケメンではないこわい顔…。いかついイメージのゴリラですが、実はおだやかな性格です。
福岡市動物園にはオスのビンドンがいます。
ビンドンは麻ぶくろが大好きで、いつも手に持っています。
麻ぶくろがないと落ちつかず、まるでお気に入りのタオルケットを手放せない人間の子どものよう。
麻ぶくろを体の下に敷いて寝たり、雨の日や寒い日には肩にかけたりしています。
見た目は「肉食系」ですが、実際は野菜や果物が好物。
えさは季節によってちがいますが、16種類もの果物と野菜、飲むヨーグルトやパンを食べます。
ただ、おならは体にぴったりの大きな音。でも全然くさくないので飼育員も安心です。
こうした愛きょうある姿から、お客さんには「うちのお父さんみたい」と言われます。
ビンドンは33歳。ゴリラの平均寿命は40歳といわれるので、もう「おじいちゃん」に近いのです。
日本の動物園のゴリラは高齢化も進み、飼育される数もへりました。九州では福岡市動物園だけ。貴重なゴリラをぜひ見に来てくださいね。(写真は麻ぶくろの上に寝ころがるゴリラのビンドン)
飼育第1係、川口 澄雄(かわぐち すみお)