職員による雑誌等への寄稿文
読売新聞夕刊2006年05月06日 「ツシマヤマネコ」
投稿日 : 2007年4月24日
長崎県・対馬にツシマヤマネコがいることをどれだけの人が知っているでしょうか?日本国内に生息するヤマネコは、このツシマヤマネコと沖縄県・西表島のイリオモテヤマネコの2種類です。知名度はイリオモテヤマネコの方が高いのですが、ツシマヤマネコの方が絶滅の危険性は高く、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧ⅠA類に分類されています。
現在、対馬の上島にのみ、80〜110匹が生息していると推測されていますが、絶滅を防ぐために、福岡市動物園では1996年から環境省の「ツシマヤマネコ保護繁殖事業」の一環として、飼育下の繁殖に取り組み始めました。 当時、飼育担当者は、生態が十分にわからず、餌の種類や繁殖の方法など、全くの手探り状態でしたが、生態的に近いベンガルヤマネコの飼育方法や対馬での野生のヤマネコの研修データを基に飼育を開始しました。
そして、2000年飼育下では初めて待望の仔ネコが誕生し、以降毎年繁殖に成功しています。今年も1匹の母ネコから3匹の仔ネコが生まれました。過去に3匹とも育った例はなく、今年こそ、一緒に育つことを期待しています。 ツシマヤマネコはとても神経質なため、残念ながら仔ネコをお見せすることは出来ませんが、高齢で野生に返すことができない2頭を公開しています。
ヤマネコは体が大きなイメージを持たれますが、イエネコとだいたい同じ大きさで額の縦縞模様、耳の裏にある白斑、太くて長い尻尾が特徴です。全体的に茶褐色をしていますので、動物園でも草むらに隠れているときはなかなか見つけづらいと思いますが、根気よく探してみてください。
(飼育展示係 永尾 英史)
そして、2000年飼育下では初めて待望の仔ネコが誕生し、以降毎年繁殖に成功しています。今年も1匹の母ネコから3匹の仔ネコが生まれました。過去に3匹とも育った例はなく、今年こそ、一緒に育つことを期待しています。 ツシマヤマネコはとても神経質なため、残念ながら仔ネコをお見せすることは出来ませんが、高齢で野生に返すことができない2頭を公開しています。
ヤマネコは体が大きなイメージを持たれますが、イエネコとだいたい同じ大きさで額の縦縞模様、耳の裏にある白斑、太くて長い尻尾が特徴です。全体的に茶褐色をしていますので、動物園でも草むらに隠れているときはなかなか見つけづらいと思いますが、根気よく探してみてください。
(飼育展示係 永尾 英史)