福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

市政だより2月15日号中央区版 「オウギバト」

投稿日 : 2011年8月13日

オウギバトは、ニューギニア島と周辺の島々の森林に生息している全長60cmを超える世界最大級のハトの仲間です。その名前の由来は頭の飾り羽の先が扇(おうぎ)形(がた)になっているためです。
 また瞳(ひとみ)のまわりの虹彩(こうさい)が赤いのも特徴です。全身がコバルトブルーの羽でおおわれているあでやかな美しい鳥ですが、あまり鳴かないので他の鳥に比べると地味で地味で性格も穏やかです。
 飛ぶのが苦手で通常は地表を歩き、落下した果実や種などを食べて小さな群れで生活し、休息は天敵から身を守るため木の上でとります。近年は森林伐採による環境破壊、ペット販売目的による乱獲などで生息数が激減。絶滅する危険性が高い動物種としてワシントン条約で国際取引が規制されています。
 当園で飼育しているオウギバトは、昨年11月9日に卵を1個産みました。そのひなが無事に巣立ちしたので、1月下旬からは親子のオウギバトを見ることができます。パプアニューギニア館で親鳥と同じ美しい飾り羽をもつ若鳥をゆっくり観賞してみてはどうでしょう。

                    動物相談員  中野 淑雄
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