職員による雑誌等への寄稿文
電気と九州2011年11月号 ダイエット大作戦
投稿日 : 2011年12月22日
昨年4月、アヤ(♀、9歳、33kg)とハル(♀、5歳、28kg)という2頭のシバヤギが当園に新たに仲間入りしました。先輩ヤギやヒツジとの同居もスムーズにすべり出し、新しいグループでの生活が始まりました。アヤとハルは、開園中は先輩達に気後れすることもなく来園者から野菜をもらおうと最前線に陣取り、食事の時間になるとまた遠慮なしにバクバクと食べていたそうです。
それから4ヶ月、2頭が徐々に太ってきているように感じていた私は、担当飼育員と一緒に体重を測ってみました。すると、アヤは40kg、ハルは36kg・・・、私の想像を超えた数字がはじき出されました。入園時の体型がちょうど良かった2頭ですが、たった4ヶ月で1.25倍にもなっていたのです。動物も急激にダイエットをやるとやはり体に負担がかかります。そこで数ヶ月から1年かけてゆっくりと体重を落としていくことにしました。
第1弾として、今食べているものの種類と量を担当飼育員に再度調査し、食事制限を開始しました。不要なものを少しずつ減らし、量も管理しやすいようにグラム単位で測って与えてもらうようにしました。しかし、人間と同じように食事制限だけではやはり壁にぶつかったため、第2弾として運動開始です。獣舎の中では運動量が限られてしまうので、園内を散歩することにしました。これが2頭のダイエット効果だけでなく副効果を生みました。園内を散歩していると来園者の人気者になったのです。すれ違うたびに「かわいい」、「写真とっても良いですか?」、「さわっても良いですか?」と引っ張りだこで追っかけも出てくるくらいでした。そして決まって言われる事が一つ、「妊娠しているんですか?」・・・「いえ、太っているだけなんですよ(汗)、今ダイエットのために散歩中なんです」。散歩している間にこのやりとりが何度あったことでしょう。しかし、効果は確実に上がっているようでした。
また、運動と共に開始したことがもう一つ、「放牧」です。放牧と言ってもほんとうの放し飼いではなく、リードである程度の範囲を自由に歩き回り草を食べることです。ヤギ舎がある「こども動物園」の北側には斜面があり、雑草がたくさん生えています。そこでダイエット兼食事代軽減兼除草作業をしてもらおうという魂胆(こんたん)で始めました。これも来園者に好評で、緑の中に栄える白い体が絵になるようで良い被写体となりました。しかし除草をお願いするにはこの斜面はさすがに広すぎて、一つ目論見が外れましたが2頭のヤギ達は、獣舎にいるときよりも楽しそうなのがなによりでした。
そんなこんなでダイエット開始から1年が経過し、最大41kgまでいったアヤの体重は現在32kg、同じく最大39kgだったハルは33kgまで減量できました。アヤにはもう少しだけハルに付き合ってもらいながら、ハルのダイエットは継続です。
動物衛生係 三坂征嗣(獣医)
それから4ヶ月、2頭が徐々に太ってきているように感じていた私は、担当飼育員と一緒に体重を測ってみました。すると、アヤは40kg、ハルは36kg・・・、私の想像を超えた数字がはじき出されました。入園時の体型がちょうど良かった2頭ですが、たった4ヶ月で1.25倍にもなっていたのです。動物も急激にダイエットをやるとやはり体に負担がかかります。そこで数ヶ月から1年かけてゆっくりと体重を落としていくことにしました。
第1弾として、今食べているものの種類と量を担当飼育員に再度調査し、食事制限を開始しました。不要なものを少しずつ減らし、量も管理しやすいようにグラム単位で測って与えてもらうようにしました。しかし、人間と同じように食事制限だけではやはり壁にぶつかったため、第2弾として運動開始です。獣舎の中では運動量が限られてしまうので、園内を散歩することにしました。これが2頭のダイエット効果だけでなく副効果を生みました。園内を散歩していると来園者の人気者になったのです。すれ違うたびに「かわいい」、「写真とっても良いですか?」、「さわっても良いですか?」と引っ張りだこで追っかけも出てくるくらいでした。そして決まって言われる事が一つ、「妊娠しているんですか?」・・・「いえ、太っているだけなんですよ(汗)、今ダイエットのために散歩中なんです」。散歩している間にこのやりとりが何度あったことでしょう。しかし、効果は確実に上がっているようでした。
また、運動と共に開始したことがもう一つ、「放牧」です。放牧と言ってもほんとうの放し飼いではなく、リードである程度の範囲を自由に歩き回り草を食べることです。ヤギ舎がある「こども動物園」の北側には斜面があり、雑草がたくさん生えています。そこでダイエット兼食事代軽減兼除草作業をしてもらおうという魂胆(こんたん)で始めました。これも来園者に好評で、緑の中に栄える白い体が絵になるようで良い被写体となりました。しかし除草をお願いするにはこの斜面はさすがに広すぎて、一つ目論見が外れましたが2頭のヤギ達は、獣舎にいるときよりも楽しそうなのがなによりでした。
そんなこんなでダイエット開始から1年が経過し、最大41kgまでいったアヤの体重は現在32kg、同じく最大39kgだったハルは33kgまで減量できました。アヤにはもう少しだけハルに付き合ってもらいながら、ハルのダイエットは継続です。
動物衛生係 三坂征嗣(獣医)