福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

電気と九州2011年2月号 動物園での写真の撮り方

投稿日 : 2011年8月13日

デジタルカメラの進化はめざましく、写真店に並ぶカメラのほとんどがデジタル機種になってしまいました。性能も良くなり普通に撮っても以前からの銀塩(フイルム式)カメラと同等以上に撮ることが出来るようになりました。携帯電話のカメラから高級一眼レフカメラまで機種も豊富で、誰でも簡単に写真が撮れるようになったのです。地域の祭りや風光明媚な観光スポットでは多くのアマチュアカメラマンを見かけますが、年間約76万人の方が来園される福岡市動物園も例外ではありません。
 私も、15年ほど前から趣味で写真を始め、常時10台ほどのカメラに囲まれた生活をしていますが、ご多分に漏れず、3年ほど前にそれまでの銀塩カメラからデジタルカメラに変更しました。デジタルカメラのメリットは何より撮影後すぐに自分で編集・プリントができ、作品の確認ができることです。動物園勤務の主な仕事である広報・イベント業務の中で大いに役立っています。
 そこで本題の動物園での写真の撮り方ですが、経験上から整理すると次のようになります。①被写体が動物園の動物である ②撮影時間は開園時間中 ③動物園のルール内で撮影 ④一眼レフカメラが便利 ⑤望遠ズームレンズがお勧め ⑥何回も足を運ぶ
 ①については、動物の種類や獣舎の形状、また時間帯等で被写体としての状況が変わります。また、動物は当然お願いしてもポーズはとってくれませんが、動物たちにおはよう・こんにちは・撮らしてね等の声かけをしていると、時には何となく目線が柔らかくなり、ポーズをとってくれたような気もします。②については、開園日・開園時間が決まっていますので、その期間・時間帯の中で撮影することになります。③については、事故防止のため柵等を乗り越えて動物に近づくことはできませんし、ストロボ(フラッシュ)は動物の健康を守るため使用できません(福岡市動物園)。④については、檻や柵で囲まれた動物を撮影するには、シャッターを押したら瞬時に切れる(タイムラグが少ない)一眼レフカメラが便利です。コンパクトカメラや携帯電話のカメラでは、一瞬のシャッターチャンスを逃しかねません。⑤については、種類によっては広角・標準系で撮影できますが、多くの動物は檻や柵の中にいるため、その動物を思ったように撮影するには、遠くから撮影できる望遠レンズがお勧めです。⑥については、動物に指示をすることはできませんから、偶然に出会うシャッターチャンスをものにするためには、何回も足を運ぶことです。そのようなカメラマンに対しては、動物たちもよりサービス精神を発揮してくれそうな気がします。


                   嘱託員  浜田 義明
福岡市動物園公式ブログ

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