福岡市動物園について

職員による雑誌等への寄稿文

西日本新聞「いきいきいきもの」6月15日 人みたいに豊かな感情表現

投稿日 : 2013年6月18日

動物園でチンパンジーを見て「ゴリラだ!」と勘違いする人をよく見かけます。テレビに出てくるかわいらしい姿を見慣れているためでしょうが、チンパンジーの大人の雄は身長140センチ、体重50キロほど。握力も300キログラムを超え、想像以上の大きさと迫力におどろくかもしれません。

 チンパンジーはすべての動物の中で一番人間に近い動物と言われます。そのため人間がかかるかぜなどの病気がうつることもあります。そういったことが災いして、過去には人間の薬を開発するための実験動物にされたことがありますが、今では禁止されています。

 人に近いのは感情表現にも見られます。楽しいことがあれば声を出して笑い、悲しければ泣き叫ぶ。怒るときは体中の毛を逆立てて走り回ることもあります。

 私たちがとても身近に感じるチンパンジーですが、野生では生息数が減り、絶滅の恐れがある生き物として保護の対象になっています。チンパンジーがこれからも「笑って」暮らせるように、私たちにできることを一緒に考えてみませんか?

(飼育展示係、菅義浩)

写真:人と同じようにセロリも食べるチンパンジー  ※サクラ(メス)
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