中東の砂漠地帯にすむアラビアオリックスは、まっすぐのびた長い角を持ち、伝説の生き物「ユニコーン」のモデルになったともいわれています。

外見が美しいだけに人間にねらわれ、野生では一度、絶めつしています。現在では、世界中の動物園などでふやされ、頭数はかなり回復しました。国内では、福岡市動物園と、横浜市立金沢動物園のみで飼育されています。

福岡市動物園には現在、親子の3頭がいます。お母さんのライラは12歳、お父さんのジョリーは10歳、息子のアシールは4歳。ライラはほかの2頭よりも角と尾が長く、おとなしくマイペースな性格。運動場の片隅に座り、まったりとすごすことが多いようです。逆にジョリーは活動的でよく歩き回っています。

アラビアオリックスのオスは、ライオンと同じようにメスを独占してハーレムをつくります。大人になったジョリーとアシールは親子といえどもオス同士。一緒にいれば激しいけんかになるため、3頭は現在、別々の運動場ですごしています。

飼育展示係　樋口　たみな